暮らしを楽しむ季節の手しごと~春夏~

公開日 2025年09月01日

機械による大量生産品は、均一な仕上がりが利点ですが、手作業には作り手それぞれの風合いや味わいが生まれます。

 

駿河生涯学習センターでは、自然の恵みを感じながら、手作業で作ったものを通して暮らしに彩りを添えることを目指し、ものづくり講座「暮らしを楽しむ季節の手しごと」を開催しています。8月は「藍の生葉染め」に挑戦しました。

 

染料は講師が自宅で育てた藍の生葉を使用しました。今年は雨が少なく高温が続いたため、藍の育ちが思わしくなかったそうです。環境の影響を受けやすい自然素材を用いる体験は、地球環境について考えるきっかけにもなっています。

 

染めの工程は、まず藍の葉を細かくちぎり、水の中で揉み出して染液を作ります。続いてゴムで括ったりして絞り模様を施したハンカチをその染液に浸します。一定時間後に取り出して空気に触れさせると、青く発色します。この工程を繰り返すことで、色がだんだん濃くなっていきます。

 

この生葉染めで大切なのは、染液を作ってから染め終えるまでの時間。30分以内に仕上げないと、染色効果が失われてしまうのです。限られた時間の中で、皆さん何度も染めを繰り返し、それぞれの「青」を追求していました。

 

最後に絞り染めのゴムを外すと、さまざまな模様が現れます。思い通りの柄になったり、ならなかったり。その予想外の仕上がりもまた、手しごとの楽しみのひとつです。みんなで作品を鑑賞しながら、手作業ならではの風合いを味わいました。

 

10月からは秋冬編が始まります。古布を使った裂き織りや、お正月飾りづくりなどを予定しています。季節の移ろいを感じながら、手しごとの楽しさを一緒に味わいませんか?

 

(S.M)

 

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