数々の大河ドラマや歴史番組などの時代考証で活躍されている、静岡大学名誉教授の小和田哲男氏を講師としてお招きし、駿府を支配した今川氏の繁栄から滅亡まで、一族の歴史をたどった講演会「今川氏十代の軌跡」を葵生涯学習センターで実施しました。
歴史講座というものはセンターの中で人気講座に挙げられますが、本講座には静岡市のみならず、近隣の市町からも多くの申込があり、市民の関心の高さを感じました。
今川氏は元々三河守護である足利義氏の子、吉良長氏の次男である国氏が三河幡豆(はず)郡今川荘に居住し、「今川氏」と名乗ったのがはじまりといわれています。足利氏は当時の将軍家であり、かなりの名門であったということが分かります。今川氏は南北朝の内乱で宗家足利尊氏に従い、軍功を挙げたことで、駿河・遠江の守護に任じられました。その後応仁の乱を経て守護から戦国大名へと転換、義元の代には三河をも領国化し、東海に覇をとなえましたが、桶狭間の戦いにて義元は織田信長軍により討ち死に、以後衰退の一途をたどります。小和田氏による自論を踏まえた講演に受講者は熱心に聞き入り、講座終了後に設けられた質疑応答の時間も大変盛り上がりました。
(S.M)