駿河生涯学習センターでは、8月1日(月)に講座「めざせ!セミのぬけがら博士」を実施しました。この講座は、毎年、市内生涯学習センター複数館を会場に、ツアー形式で実施している恒例講座。今年も当館を含む、市内生涯学習センター8館での実施となります。
今年の駿河生涯学習センターは、ツアー初日の1講座目。幸先よく天候にも恵まれ、絶好のぬけがら日和です。
まずは当センターの活動室に集合。講師の鈴木芳徳さんから簡単に講座の流れについて説明がありました。ここで鈴木さんから大事なお話。「最後に、みんなで集めたぬけがらの数を合わせます。だから、誰が多く取ったということではないですからね」とのこと。なるほど!これは共同作業なのか!
という訳で、ぬけがらを集めに、来・て・こから直線距離で200mの小鹿モデル児童遊園に。
セミのぬけがらは、子どもの手に届くぐらいの低木にもあれば、大人が背伸びしても到底届かないような高木の上の方にもあります。
子どもも大人も、そんな種々雑多な木の幹や枝をよーく見つめて、ときには木の周りの繁みを掻き分けたりして、ぬけがらを見つけていきます。また、視点を地面に移してみると、土にはたくさんのセミの幼虫の抜け穴があります。どんどん視力がよくなっていく感じです。
手の届かない高い場所のぬけがらは、高枝切り鋏を携えた鈴木さんにお願いしてゲット。まあまあ高い場所ならば、虫取り網を持つセンター職員も加勢。
木々の隙間から照りつける日差しは容赦なかったものの、そこにいる全員が「ぬけがらを集める」という共通の思いを携え、どことなく心通い合っているような、そんな素敵な約40分間でした。
活動室に戻ると、鈴木さんからセミの種類ごとのぬけがらの特長を教わり、分類していきます。結果は、採取数478個。内、アブラゼミが46個(10%)、クマゼミが432個(90%)。
昨年の採取数は313個で、比率はアブラゼミが13.4%、クマゼミが86.3%、ニイニイゼミが0.3%でした。当センターでは2006年以降この講座を継続し、記録を積み上げてきましたが、今年は過去で一番アブラゼミの比率が低い年となりました。
あくまで傾向の話だそうですが、地面が乾きがちな所ではクマゼミが多く、日陰の多い所ではアブラゼミが多くなるそうです。とすると、ひょっとして今年は地面が乾きがちだった、とか?
理由はわかりませんが、そこには普段の生活の中で、私たちが見過ごしている環境の変化があるのかもしれませんし、単なる偶然なのかもしれません。それでも、環境問題を始めとして課題だらけの社会の中で、私たちが毎日の暮らしをよい形で続けていくためには、そして、そのために考えたり行動したりするためには、まずは目の前の世界をよーく見つめて知ることが第一歩なのだと感じました。
これまで参加された方々(そして、これから参加してくださる方々)が集められた、セミのぬけがらの向こうに、より良い未来がきっとあるのだと思います。(T.Y)