葵生涯学習センターでは、9月7日(水)、「小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て」と題して、慶應義塾大学医学部小児科学教室主任教授である高橋孝雄氏による、子育て講演会を開催しました。当日は悪天候の中、大勢の方に足を運んでいただきました。
講演では、子どもが幸せに生きる力について、遺伝の力と環境の力をテーマにお話しいただきました。高橋氏は、遺伝の力は変わらない力であるが、ばらつき(個性)があるとし、子どもたちはみな、各々の遺伝子のシナリオに守られて育つと話しました。
一方、環境の力は変わる力、育む力であり、その力を発揮するためには実体験が必要であると解説しました。また、子どもに授けたい力として、自分のことを自分で決められる意思決定力と、他人の喜びや悲しみを感じとることのできる共感力を提示し、それらの力を育むには、たくさんの失敗を経験させることと、子どもの話を傾聴し、本心を聞き出し納得させることが必要だと強調しました。
講演後のアンケートには、「遺伝子の力強さを知り、自分のせいだと考えていた気持ちがやわらぎました」、「たくさんの心の栄養をいただき、大らかに見守ろう、しっかりと耳を傾けようと、大切な原点を気づかせてもらいました」等、多くの感想が寄せられました。子どもを思う方々に、安心して子育てできるヒントを届けられていたら嬉しく思います。
(A.Y)