「認知症になりたい」と望む方は…おそらくいらっしゃらないでしょう。認知症は発症まで長い時間の経過をたどります。そして、前兆として見過ごすことのできない症状の一つが「もの忘れ」です。「もの忘れ」の段階で予防に努めることは進行を食い止める一定の効果が認められています。もの忘れの予防で大切なことは「みんなで取り組む」ということです。
西部生涯学習センターでは、7月8日(土)に、講演会や体験を通して認知症について理解を深め予防法を学ぶことで自身の予防について考えるイベント「もの忘れ予防フェスタinしずおか」を開催しました。
地域のかかりつけ医でもあり、認知症サポーター医でもある岡慎一郎医師による医療講演会のほか、リハビリ専門医による講演会や体力・脳力測定会など、多角的なアプローチで来場者がもの忘れや認知症について学び体験することができるようなイベントになるよう工夫をしました。来場者のアンケートには、「もの忘れや認知症への興味関心が深まった」という感想や、「認知症に対するイメージはかわったか」という問いに対して、84%の方が「はい」と答えてくださいました。このことから、もの忘れや認知症への理解を深め予防法を学ぶよい機会を市民の皆さんに提供できたと考えます。
…実はこのイベント、認知症について理解を深め予防法を学ぶだけでなく、「認知症を地域で支えるために個人・団体・地域をつなぐ機会を提供する」ということも目的の一つでした。認知症に理解のある市民の方がボランティアとして参加したほか、近隣のS型デイサービスや西部生涯学習センター利用団体などの団体が、各々の活動を伝える場としてイベントに参加してくださいました。来場者だけでなく、イベントに携わったボランティアや団体メンバーが交流する様子が会場各所で見られ、地域で支えるために個人・団体・地域をつなぎ、もの忘れの予防で大切な「みんなで取り組む」ことができたイベントとなりました。