西部生涯学習センターでは、7月20日、当センター近隣地域で竹細工の工房を営む職人を講師に迎え、小学生を対象とした伝統工芸の体験講座「駿河竹千筋細工で置き風鈴をつくろう」を実施しました。
はじめに講師から駿河竹千筋細工の歴史や特徴についての解説を聞きました。そして、駿河竹千筋細工が細い竹ひごを何本も作り、それを組み立てて作品を仕上げていくということを学んだ後、その竹ひご作りを体験しました。小刀で竹の皮を削ったり、なたで竹を割ったりといった作業があり、子どもたちは刃物を扱うことにはじめは不安そうな表情をしていたものの、講師に安全な扱い方を教えてもらいながら慎重に作業を行っていました。その他いろいろな工程を経てようやく丸く細い竹ひごができ上がり、材料の竹ひごを作るだけでも様々な技法が使われていることを学びました。
後半は、制作キットを使って駿河竹千筋細工の置き風鈴(卓上型の風鈴)を作りました。土台部分と風鈴を吊るす天井部分の部品に開けられた穴へ竹ひごを1本1本差して組み立てていくというものでしたが、子どもたちは細い竹ひごが折れないように、差したばかりのひごが穴から外れないようにとゆっくり丁寧に作業を進めていました。全員が時間内に作品を完成させることができ、子どもたちは風鈴の音を確かめながら自分の作品の出来栄えに満足気な表情を浮かべていました。
講座終了後のアンケートには「むずかしかったけど楽しかった。ひごを曲げるのがこわかったけど、上手にできてよかった」といった感想が寄せられ、地域の職人が継承してきた伝統工芸の技術の奥深さや工芸品制作の楽しさに触れ、郷土理解を深める機会を提供することができました。(M.S)