北部生涯学習センターでは、9月14日、21日、10月5日に「地元職人に学ぶ賤機焼」を実施しました。
賤機焼は、江戸時代初期に創始されたと言われ、徳川家康公から称号を貰い、御用釜として栄えた歴史を持っています。
その後一時衰退したものの、明治中期に再興されて以降、改良を重ねながら現代まで受け継がれてきた静岡市の伝統工芸です。
この講座では全3回を通して、市内唯一の窯元として伝統を受け継ぐ職人の指導のもと、湯呑と箸置きの制作を行いました。
受講者の皆さんはほぼ全員が陶芸を初めて体験する方でしたが、慣れない作業に悪戦苦闘しながらも、黙々と土と向き合う姿が印象的でした。
特に、陶器の厚みが決まる削り出しの作業は、絶妙な力加減が難しく、皆さんの表情は真剣そのもの。
しんと静まり返った会場で集中して作業に取り組みました。
作業の合間には、講師から賤機焼の歴史や陶器の制作過程の話を聞き、伝統工芸の奥深さと手仕事の価値を再認識する機会となりました。
講座後には、「これまで賤機焼を知らなかったが、興味を持った」「自分の宝物が増え、静岡の文化にも触れることができた」等の感想をいただきました。
作品の焼き上がりは12月の予定ですが、完成が待ち遠しいです。
(S.Y)