南部生涯学習センターでは、現在放送中の大河ドラマ「おんな城主直虎」の時代考証を務める大石泰史氏を講師に招き、「キニナルスキニナルプロジェクト 南部郷土史大学」の公開講演会を開催しました。
「南部郷土史大学」は郷土史研究の手法を学びながら、受講者自身が決めたテーマを研究発表する講座で、昨年度から毎月実施しています。
今回は、大石氏による講演に先駆けて、「南部郷土史大学」の受講者が「静岡の廃仏毀釈」をテーマに研究成果を発表しました。人前で発表するのは初めての体験だったそうですが、浅間神社や久能山など、なじみ深い場所を題材にしたお話はわかりやすく、聴講した皆さんにもご満足いただけたようです。
そしてメインイベントは、大石氏による講演「今川氏真の実像」です。今川氏真は今川義元の息子で、家督を継いだ人物ですが、桶狭間の合戦以後に今川家の勢力を盛り返すことができなかったことなどから、低い評価を与えられがちになっています。この講演会では、そのイメージが果たして正しいものなのか、様々な視点から実像を探るものでした。
多くの資料を基に語られる、能力ある為政者としての今川氏真の姿に、受講した皆さんはしきりに感心している様子でした。特に、当時署名の代わりに使用されていた記号である「花押」についての研究は新たな知見をもたらすもので、歴史に詳しい方にも聴きごたえのある講演でした。
今回は公開講演会ですが、普段の「南部郷土史大学」は月に1回のペースで研究活動を行っています。歴史に興味のある方、自分でも調べてみたいという方は、ぜひ南部生涯学習センターまでご一報ください。
(M.S)