西部生涯学習センターでは静岡大学名誉教授、本多隆成氏を講師に迎え「家康公と静岡」をテーマに西部歴史講座を開催しました。市民の関心は高く70人を越える申込がありました。家康公は静岡人にとってなじみのある歴史上の人物であり、歴史愛好家も多いことがうかがえました。
第1回は「関ヶ原の戦いと幕府の成立」についての講義でした。「関ヶ原の戦い」は豊臣対徳川の単純な構図ではなく、豊臣公儀内部においての石田三成・毛利輝元を中心とする西軍と徳川家康が主導する東軍との権力闘争である複雑な構図が見えました。また戦後処理の論功行賞と大名配置により、家康の全国支配の礎が固められたことを学びました。
第2回は「徳川家康の大御所政治」についての講義で、家康は江戸幕府を盤石なものにするため、御手伝普請、起請文など大名統制政策を行い、将軍への求心力を高めました。また朝廷に対しても発言力をもち、諸外国と朱印船貿易を推進するなど駿府の地において実権を握っていたという駿府政権の史実に触れ、改めて郷土理解を深めることができました。
熱心に講義を傾聴している受講者の様子や、休憩時間に歴史愛好家仲間で談笑する様子が見受けられ、好評のうちに2回の講座を終了しました。