静岡市生涯学習センター

西部歴史講座「家康公の足跡」は定員40人のところ、88人の申し込みがあり、高い家康公人気がうかがえました。家康公の研究者として有名な静岡大学名誉教授本多隆成氏を迎え、第1回は三方ヶ原の戦い、第2回は小牧・長久手の戦いについて学びました。家康と信玄、家康と秀吉の関係を踏まえて、合戦までの経緯や布陣、侵攻ルートに関する詳細な講演でした。
　特に三方ヶ原の戦いの侵攻ルートや侵攻目的については研究者の諸説まで踏み込んだ専門的な内容でしたが、今まで信じてきた歴史上のでき事に次々と新しい事実が発見されることに興味と新鮮さを感じたとか、「知る楽しみ」を楽しんだという感想が寄せられるなど、歴史愛好家の興味にかなうものでした。また、笑いを誘うエピソードとしてしかめっ面の徳川家康画像の話が盛り込まれました。一方、成瀬正成が小牧・長久手の戦いで活躍する雄姿が描かれている「成瀬屏風」は譜代大名へのアピールであり、成瀬家初代たちの賛歌であるとの解説や絵図のパワーポイントは当時のイメージをほうふつさせるものでした。このように講演後のパワーポイントには合戦までの経緯や布陣図、侵攻ルートはもちろん様々な絵図や写真がまとめられており、理解が一層深められると好評でした。
　講座終了後には講師の著書『定本、徳川家康』にサインを求める受講者がいるなど、多くの家康公ファン、講師の本多氏ファンが受講した西部歴史講座でした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (Ｔ．Ｓ)