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講座レポート「漆塗りの食器を使ったことがありますか？」
当センターでは漆器を「ちょっと特別な日用品」として使ってもらえるよう、漆塗弁当箱の制作体験をする「静岡伝統工芸 漆塗り弁当箱」を毎年開催しています。完成するまで全6回の長い講座ですが、今年も定員を上回る申込みがあり、16名の方に受講していただきました。
初回と2回目は事前に考えてきたオリジナルデザインを元に、蓋に装飾を施しました。カッターで切った螺鈿(らでん)を漆で糊付けすることがスタンダードですが、中には色漆を網目模様の板に塗って蓋に転写したり、月を描いたりする方もいました。3回目以降は漆を塗って、やすりで削り、研磨剤で磨くことを繰り返し、最終回になると艶やかでかつ深みのある色になりました。
完成した作品は作り手の個性が表れた素敵なものとなり、「早速使ってみたい。」とコメントがありました。長い時間をかけて完成する制作の大変さや楽しさ、また、漆塗師である講師の高い技術を目にすることで、現在も残る伝統工芸の奥深さを感じてもらえたようです。
こちらの弁当箱は使い込むほど味わいが増し、剥げてしまっても塗り直すことができます。この講座は来年度もまた実施する予定です。お正月の重箱代わり等様々な使い方がある漆塗り弁当箱。漆器に関心をもたれた方はぜひ注目してくださいね。(T.H)
