長田生涯学習センターでは、6月15日から全3回で「大人のディベート入門講座」を開催しました。
皆さんはディベートと聞いてどんなことをするのか想像がつきますか?
ディベートとは広く言えば討論を指しますが、今回行った狭義のディベートとは、ルールに沿って議論するいわば討論のスポーツです。あるテーマについて賛成派、反対派に分かれて主張を行い、審判を納得させられたチームが勝ちとなります。
相手の主張を予測して反論を考えたり、相手の論理の弱点を見つけて指摘したりと、情報と言葉を使ってより強固な論理を組み立て、相手に論理を崩されないようにしながら相手の論理を崩して、審判を納得させなければならないという頭を使う熱いバトルなのです。
この講座ではそんなディベートを通して、論理的に考えることや順序立てて話すことの練習を行いました。
第1回では中学生ディベート甲子園の映像を見てディベートとはどのようなものかを知り、第2回では相手を納得させる論理の組み立て方のコツを学びました。その後は意見を出し、意見同士を関連づける訓練としてブレーンストーミングを行い、「消費税を10%に上げることについて」というテーマで自由に意見を出し合いました。受講生からは「物を買わなくなるのではないか」「駆け込み需要が高まるので物が売れるのでは」「そもそも消費税10%は世界から見て高いのか低いのか」等の様々な意見が飛び交いました。出てきた意見は名刺大のカードに書き込み、仕分けしていき、ひとつひとつの意見から論を組み立てる準備ができました。
第3回では「消費税を10%に増税するべきか否か」というテーマで、実際のディベートの流れに沿って主張と質疑、反ばくを体験しました。賛成派は増税のメリットとその重要性を、否定派は増税のデメリットとその深刻性を主張しました。実際にやってみるとなかなか難しいようで、特に質疑は2分間という短い時間で、質問を投げかけて相手の論理の弱いところを確認する必要があるため、どう質問をしたらよいか苦戦する様子が見受けられました。時間の関係で残念ながら審判の判定まではできませんでしたが、講師のサポートもありディベートは大いに盛り上がりました。
講座を終えた受講生からは、「論理的思考を鍛えることは自分の人生を生きるためにとても大切なことだなあと思いました」「面白い経験でした」「またやって欲しいです」等の感想が寄せられました。ディベートを通して学んだ考え方や伝え方のコツを、お仕事や地域の活動など日常生活にも活用していただければと思います。
長田生涯学習センターでは引き続きことばを使うことの面白さ、奥深さに触れられる講座を企画していきます。皆様のご参加をお待ちしております。(M.T)