東部生涯学習センターでは10月に「初めての仏像彫刻〜円空彫りに挑戦〜」(全5回)を開催しました。
円空彫りは江戸時代前期の修験僧 円空が日本各地を巡り、修行を重ねる中で、人々の苦しみを癒すため、12万体の造像を願い彫ったものといわれます。「なた」で荒く彫るだけという円空の独特な彫刻は「円空彫り」と呼ばれ、彼の手で作り出された多くの神仏像は独特な「微笑み」を携えて人々を見守っています。
講座では、春野町の杉の丸太を使って、1人1体の彫刻に挑戦しました。
今回は丸太の皮を剥ぐところからスタート。丸太をなたで二等分、または四等分して、仏様となる部分と作業台を作っていきました。
2回目以降は、講師の用意した仏像を参考に型取し、顔彫りと進みました。初回は和気藹々と和やかな雰囲気の中で始まったこの講座ですが、のみを叩くハンマーと削られる木材の音が響くほど、会場は静かになっていきました。
最終回はオイルステンで色付けして、完成です。出来上がった14体の仏像を並べるとそこかしこで「この作品のここがいいね!」といった声が聞こえ、充実した時間になったことがうかがえました。
最後は作品の集合写真を撮って終了です。
忙しい毎日が続きますが、一人一人が集中して彫刻に向き合う姿が印象的な時間となりました。(T.O)